家政婦だって、恋したい
塞がれた唇

―結衣side―




碧斗さんは翌朝、39度の光熱を出した。


「碧斗、夜中に仕事してたね?」

碧斗さんが熱を出したと聞いて、出勤前の貴重な時間を割いて、拓哉さんが尋ねてきてくれた。

「…してねぇよ。」

「ちょっと間があったぞ。」

「…」

碧斗さんは、話すのも辛そうだ。



「碧斗さん、卵粥を作ったんですが、食べられそうですか?」

私は、出来たばかりのお粥を、ベッドサイドテーブルに置いた。




< 38 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop