クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「俺のこと、特別好いてないことも分かってるよ」

 再度重なった視線は、さっきまでと温度が違う。


「でも、好きになったら仕方ないでしょ?ひと目惚れしたの、初めてだったし」

「……そういう嘘、やめてください」

「嘘じゃない。じゃなきゃ、社内でリスク背負ってまで、抱きしめたりしない」

 言われてみれば、確かにそうかもしれないと思わせる彼の説得に似た告白。それに流されるほど、私は馬鹿じゃないし、干からびてもいない。


「じゃあ、信じさせてもらえませんか。柏原さんの気持ちが本物だってこと」

「信じられるって思ったら、彼女になってくれる?」

「その時、好きになってたら」

「……一筋縄でいかないね、本気の恋って」

 互いに挑戦を挑むように微笑みを交わした。

 私は、恋に落ちないように。
 彼は、私を恋に落とすために。


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