クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ



 いつの間にか、視界の端に瀬織さんがいるようになった。

 だけど、真正面から向き合って話しても、彼女はあまり視線を合わせてくれない。

 社会人として、それは良くないって思うけれど……コミュニケーションを取るのが苦手なほうだというのは、日々見ていればわかることで、それを強要するのも違うだろう。








「お疲れさまです」

 店舗企画部の柏原が、彼女に声をかけるようになった。
 仕事と分かっていても、あまりいい気はしない。社内で評判の軽い男なんかに、彼女の良さを知られてしまうのが嫌だからだ。


 それなのに、アイツは俺より近い距離で話す。
 彼女が戸惑っていようとお構いなしで。



< 345 / 361 >

この作品をシェア

pagetop