クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「ほどほどにしてくださいね。明日元気にしていてくれないのは、私も不本意ですから」

 作った笑顔を見せれば、ハッとした顔で正気に戻ってくれた。
 案外安いな、俺の笑顔っていうのも。



 店舗統括部の人間は、商品企画部より賑やかだ。日頃の鬱憤が溜まっているのか、やたら声が大きくてうるさい。

 ふと視線を流せば、柏原が女に囲まれて、調子づいているのが見えた。
 1人は完全に密着して、彼の隣をキープしている。

 ――あれは、今夜ヤられるな。ご愁傷さま。
 心の中で手を合わせて、その後の円満解決を祈る。
 主催した以上、ある程度の責任は持つけれど、知らない所で起きた修羅場は勘弁いただきたいし、巻き込まれたくもない。



 うちのメンツは……まぁ、品行方正な方だ。何を話しているかは置いといて、乱れるような雰囲気はない。
 俺の隣を動かない佳乃を抜かしては。


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