クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「色とか形とか、そういうのってもっと後でいいですよね?今日って、コンセプトを決めるために集まったはずなんですけど、私の案でいいのかどうかも正直分からないままで、集まってる意味ってありますか?」

「その通り。せっかく考えてきてるのに、経験者がああでもないこうでもないと意見して、真新しさを消すだけなら、こんな集まりは無意味だ」

 千堂部長がすかさず私のフォローに入ってくれたおかげで、言葉の棘が薄くなった。先輩がいるのになんたる強気で立ち向かってしまったのかと、言ってからすぐ謝りたいと思っていたところだった。


「貴女は、次回から参加しなくて結構です。ご自分が抱えている企画に精いっぱい取り組んでください」

 1番否定的だった佳乃さんに、部長が冷静な判断を突きつけ、再び空気が凍りつく。


「じゃあ、続きやろうか。仕切り直し」


 本題を話し合えば、生産性のある時間が進む。普段穏やかな千堂部長が一瞬でも豹変したせいで氷点下まで冷え切った空気も、結局は千堂部長が元通りにしてくれた。


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