クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 彼氏とデートをするというありきたりが、今は特別なものに思える。“未経験”の私を大切に想ってくれている彼氏なんて、もしかしたら初めてかもしれない。
 重いとも言わず、すぐに優しく包み込んでくれた柏原さんが、今は生活の中心にいる。まだお互いをよく知らないけれど、それでもきっと時を重ねていけば……。


「お待たせ」

 遅れることなく、彼がやってきた。
 すんなり手を繋がれて、幸せが指先から全身に回っていく。

 私服の彼と、本当の私。
 少なくとも地味子モードの私よりも釣り合うはず。行き交う人たちが私たちを見ていくのも目立つからだろう。


「そういう服着てる結衣見るの久々で、緊張する」

「え?!」

「イイ女を連れるには、俺もそれなりに覚悟しないといけないんだよ」

 眩しい笑顔を向けられて、せっかく褒められたのに謙遜する。イイ女になりたいと思ってはいるけれど、自分がそうだと思ったことはない。柏原さんに言われたら、思い切り恥ずかしくなった。


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