クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「いただきます」

「言わなくても、分かってくれるのはさすが瀬織さんですね」

 部長の好みを把握していたことを褒められて、小さく微笑み返す。地味子は徹底しなくてはならない。
 本当の私を知っているのは柏原さんだけでいい。バレるとしたら、柏原さんとつき合っているのを公表する時だろう。

 ……例えば、結婚とか。そういうタイミングが来たら。



「それで、瀬織さん一押しの宿はどれですか?」

「これです。伊豆の修善寺なんですけど、季節的に雪見温泉ができるかもしれません。庭園もあるので、歩きたい人は気分転換もできますし、食事もとても美味しそうで……」

「では、そこにしましょう。宴会場も予約してください」

「押さえてあります」

「相変わらず仕事が早いですね」

「……でも、1人あたりの料金が」

 18,000円はさすがに高い。自腹で行くにしても、ご褒美レベルだ。


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