ケダモノ、148円ナリ
「黒崎部長。
これは、たまたまうちの新入社員な私の婚約者です。
内緒ですが」
と誰より話してはまずそうな黒崎に、貴継は言っていた。
部長だったのか、と思っていると、黒崎は、一瞬、へえ、という顔をしたが、すぐにまた嫌味を言い始める。
「まったく、社長も物好きな。
君をうちの会社に入れるなどと」
「あのー、黒崎部長」
と明日実が口を挟むと、なんだね? と黒崎はこちらを見る。
「部長は何故、そんなに貴継さんを嫌うんですか?」
こんな若造が部長というのが気に入らないのだろうか、と思ったのだが、黒崎は少し驚いたように言ってきた。
「あんた婚約者なら知ってるだろう。
この男は、経営に失敗して、追い出された創業者一族のボンボンだぞ」
……知りませんでした。
そうか。
お父様が追い出された会社って、うちの会社だったのか。
そりゃ、社長、心が広いな、と思っていると、
「うちの会社に入って、機密事項でも盗み出し、転覆させんと狙っているに違いないのに」
とタラタラと自説を述べ始める黒崎の言葉に、
「いや、自分の入った会社転覆させてどうすんだ」
と貴継が呟いていた。
これは、たまたまうちの新入社員な私の婚約者です。
内緒ですが」
と誰より話してはまずそうな黒崎に、貴継は言っていた。
部長だったのか、と思っていると、黒崎は、一瞬、へえ、という顔をしたが、すぐにまた嫌味を言い始める。
「まったく、社長も物好きな。
君をうちの会社に入れるなどと」
「あのー、黒崎部長」
と明日実が口を挟むと、なんだね? と黒崎はこちらを見る。
「部長は何故、そんなに貴継さんを嫌うんですか?」
こんな若造が部長というのが気に入らないのだろうか、と思ったのだが、黒崎は少し驚いたように言ってきた。
「あんた婚約者なら知ってるだろう。
この男は、経営に失敗して、追い出された創業者一族のボンボンだぞ」
……知りませんでした。
そうか。
お父様が追い出された会社って、うちの会社だったのか。
そりゃ、社長、心が広いな、と思っていると、
「うちの会社に入って、機密事項でも盗み出し、転覆させんと狙っているに違いないのに」
とタラタラと自説を述べ始める黒崎の言葉に、
「いや、自分の入った会社転覆させてどうすんだ」
と貴継が呟いていた。