【完】悪名高い高嶺の花の素顔は、一途で、恋愛初心者で。
「明日の早朝には……」

「そっか……」



また二週間、会えない日々が続く。そう考えるだけで、切なくなった。


「朝までは、こうしていたいです。ダメ……?」


この温もりをひとりじめしたくて、那月くんに体重を預けた。


「ダメです」


即答されたと思ったら、次の瞬間ベッドに押し倒された。


「もっと触れさせて。百合花さんが足りない」


えっ……。

返事をする暇もなく、唇を塞がれる。

久しぶりのキスに、溺れてしまいそうになったけど、雰囲気を察してハッと我に返った。


「ま、待って……」

「嫌ですか?」

「そ、そうじゃなくて、あの……お風呂に入らせてほしい……」


私、まだお風呂に入ってないっ……。

そんな状態で、那月くんに抱かれたくなくて、那月くんから離れようと身をよじる。
けれど那月くんは抱きしめる力を緩めてくれず、むしろさっきよりも強く抱きしめてきた。


「百合花さん、いい匂いですよ」

「そ、そういうことじゃなくてっ……」


それに、いい匂いなんかじゃないと思うけど……。


「でも、一秒も離れたくないです」


甘えるようにそう言われて、胸がきゅんと跳ね上がった。

か、可愛い……。


「それじゃあ……一緒に、入りますか」

「入ります」

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