Forecast -Mystic Cafeへようこそ-
女の子と仲良くする魅菜を見つつ
一瞬時がとまったかのように
私は思考をフリーズさせた。
そして口をぱくぱくさせながら
質問を投げかける。

「ん!?待って、幽霊という事はもしかして、魅菜って心霊使いなの!?」

「そだよー、妖怪を封印したり
出して見たり出来るの」

実は私のタロット以外にも
超能力と呼ばれたものや心霊を扱う能力を
持つ人がいる、と昔祖父が
話していた。また能力を持つもの同士は例え
人には見えないようなものも人か獣かの
判断はできるとのことだ。しかしまさか一番近くに
そういう人がいると思わず今の今まで
過ごしてきたもんだから、
事実私はさきほどよりも
無意識に声を荒げて質問していた。

「そう。まぁあえて言うなら普通の人間とは違う
能力使いって奴。私も見えた時はめっちゃびびったんだけどね」

早紀は女の子に若干距離を
置きながら代わりに返答する。

「でも早紀はなんでこの状況を
受け入れられるのさ」

私はふと思った疑問をぶつけてみる。

「え?友達が宇宙人と知って友達辞めるとか
つまらなくない?十人十色と言うし。
それに私、そこの女の子見えるって時点で
普通じゃないらしいし。これね、
普通の人には見えないんだって」


早紀は楽しげに即答する。
そこらへんはなんとも思っていないようだ。

妖怪やお化けは苦手なのに。

「ほら、この間私の家に来たときに手品ー!
といって私、ふざけてその子にジュースを
お盆に乗せて運ばせたじゃない?
普通の子なら空中に浮かぶお盆を見て
驚くのに早紀も菜乃も
驚く素振り一切見せないんだもん。
それどころか『妹さん?』と
菜乃は聞いてきたでしょ?
だから早紀に聞いたのよ。幽霊って信じる?って」

魅菜は口元に人差し指をあてて
改まったようにこちらを向く。
早紀は一息ついて実はねと
告げた後一つ間を置きながら
ゆっくりと語りはじめる。

「私の家ってね、古くから伝わるお寺なのよ。
だから小さい頃から幽霊見ることに
違和感はなかったんだけど、幼稚園くらいのとき
周りの子は見えないと知ったの。魅菜は
その幽霊達と意思疎通するだけでなく
無条件で霊を操る事が出来るらしいけど
私は見えるだけ。
……って私の話はどうでもいいの!」

魅菜はどっからかちゃぶ台を持ってきて
だん!と勢いよく叩いた。

そこを昭和の親父か!と
早紀が突っ込む。

(おー。息ぴったし)

私はそれを呆然と眺める。

「肝試し、行きたくない?」

< 11 / 15 >

この作品をシェア

pagetop