Forecast -Mystic Cafeへようこそ-
二人目 生き写し
私は私立音夢学園高等学校の2年生として
一般生徒に紛れて生活している。
音夢と書いて<ねむ>と読むらしいが
皆メロ学と呼んでいる。
いつからかは知らないが。

小中高一貫の学校だがエスカレーター式に
上がる生徒と、受験や推薦で
入学する生徒は五分五分だが
イジメや大きな問題は今のところ起きていない。

なんでも、防犯対策と校内でのイジメを
撲滅する為に、嫌な事やイジメを受けたときに
鳴らす防犯バッチブザーをきっかけに
そういった行為はすぐに発見され、
廊下に設置されたカメラの効果もあり
イジメをした生徒は全校集会で
名前を晒しあげにされるからだ。
そんな事されたら私だったら不登校になりそう。

なんでも昔校長先生がイジメを受けた、とか
トラウマを抱えたとか噂が飛び交ったほど
対策は万全に完備されてるのである。

そういったモラルに対して厳しい環境の為、
今のところ私の見る限りは
大きな揉め事を見たことがない。

Mystic Cafeこと私の家は
学校から歩いて20分程度の場所では
あるのだがなんせへんぴなところだから
初めは客層が少なく苦労した。

しかし占いの事もあり地元からはすこしずつ
存在は認知され、今では売上もそこそこと
いったところに成長したのは
ありがたいことだ。


ドアが開く音と共にまた一つ
悩みを抱えたものが語りかけてくる。


「すみませんー!悩み相談のCafeって
ここですか?」

ー二人目 生き写しー
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