宛先は天国ですか?



確か、環奈ちゃんは途中の駅で別の路線に乗り換えるんだっけ。

だけどそっちこそ、璃子と環奈ちゃんは学校の最寄り駅からは同じ方面じゃないか。

まあ、すぐにバラバラと違う方面に行くことになるのだろうけど。

3人で遊ぶことはめったになくて、そもそも環奈ちゃんと仲良くなったのが夏休み直前くらいだったため、璃子としか遊んだことがない。

だから、環奈ちゃんの家がどのへんにあるかは知らないけど、遠いとは聞いたかな。


…まあ、同じ方面な上に駅が2つしか変わらないのは、確かに羨ましいものかもしれない。

同じ最寄り駅なら、なおさら良かったのだろうけど。


「あらあら、環奈ちゃんには愛しのダーリンがいるんだから、帰りが同じ人なんていらないでしょう?」

クスクスとからかうようにそう言った璃子に、合わせてわたしもクスッと笑う。

環奈ちゃんは顔を赤くすると、むぅと頬を膨らました。

「でも、彼はもっと地元に近いところに通ってるから、少ししか電車被ってないし。

行きも、向こうは朝練があるからもう少し早いし」

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