サヨナラの行方



結局、抵抗も出来ずに溺れてしまう。


それからは、平日だろうが休日だろうが、泊まることが多くなった。

ちょっとした着替えも、ここに置くようになった。

私は、彼女じゃないのに。

このままでいい訳がないのに。

何も考えられなくなってしまう。


奥さんに悪いと思いながらも、ずっとこのままでいられたら、なんて思ってしまう。

そんなの、世間が許す訳ない。

だけど、誰にもバレずにこのままで……。


そう夢を見ていても、終わりは訪れてしまうもの。

こんな偽物の幸せ、長くは続かない。

それも、最悪な形で終わりを告げるんだ。



**********


「やっと見つけた」



悠月が住んでいるマンションを見上げる1人の女性。



「人のモノを取ったんだから、それ相応の対処をしないとね」



くすりと笑った彼女の手には、1枚の写真が握られていた。




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