全力片思い
考え事をしている間に最寄り駅に到着し、電車に乗ると一駅なんてあっという間。

扉が開くとすぐに乗り込んできた光莉が私を見つけると、笑顔で駆け寄ってきた。


「おはよう、萌!」

「おはよう光莉。風邪はもう大丈夫?」

いつも通りを心がけて笑顔に努める。

私の横にピタリと立つと、屈託ない笑顔を見せてきた。


「もうバッチリ! それに二日もバイト休んじゃったからね。その分ガッツリ稼がないと!」

「もー、そう言って無理してまたぶり返さないようにね」

「大丈夫、私の身体は丈夫だから」


光莉と会うまでは、ちゃんといつも通りに接することが出来るか不安だったけれど、そんな不安無用だったかも。

自分でも驚くほど平常運転出来ている。


電車は発車しお互い手すりに掴まる。

「あっ、そうだ。学校着いたら休んでいた分の授業のノート見せてくれる? 二日分ともなると、けっこうな量だし早く写しちゃわないと」

「了解」
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