最後の瞬間まで、きみと笑っていたいから。

<ハートに火がついた>


それから多賀宮くんは、毎週水曜日にうちに来るようになった。


というか、それ以前に、私を予備校まで迎えに来てくれるようになった。聞けば花山先生の住む家がこの近くにあるらしい。


「じいさんが寝るの、9時半だぞ。家ん中真っ暗だから、結構出歩いてるんだ」


だけど私はそのおかげで助かったんだから、先生には感謝しておきたい。


「先生、何時に起きるの?」

「4時」

「早いねぇ……」


4時なんて、下手したら眠れなくて起きている時間だよ。


多賀宮くんとふたりで氷をたくさん入れたアイスティーを飲みながら、ベッドを背にして床に座り、作り物の星空を眺める。


最初は緊張したけど、今はしない。

不思議だな。


学校じゃ同じ教室の後ろ前に座っているけど、多賀宮くんは朝からいないことが多いし。来ても昼からとか、週に1度は学校を休んでるし。


小学生の頃から皆勤賞のタケルなんか、「あいつは不良だな!」なんて、目くじら立てて怒ってたけど。


だけど毎週水曜日は必ず私を迎えに来てくれて、こうやって私の部屋で星を見るのが当然になっていた。


彼はそんなつもりないだろうけど、ちょっと特別な感じがして嬉しい……。

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