最後の100日~君に幸あれ~

「そこから先は言わんで?
今度は俺が言うから」


今度は…?
私の唇から指を離し、コウちゃんは椅子から立ち上がった。

「ミイちゃんとごっこ遊びするの飽きた。
だから、もうやめよう。

いまだに、好きとか思われてるの…迷惑なんよね。」

私の瞳を見るコウちゃんの顔は今にも泣きそうな顔だった。

あの時と同じ…。またコウちゃんを傷つけてしまったの…?

私は人を傷つけることしかできないの?

「それにさ、俺には彼女とかそういうの性に合わないんよ。
だから、俺らは何もなかった。
ただの友達ってことでええやん」

コウちゃんが無理矢理笑っている。

そんな笑顔をさせているのは誰でもない…私。

「ミイちゃんが自分を責めることやないよ。
俺は別にあんたのことなんか何とも思ってない」

そういい少し離れ、近くの机に軽く座る。

コウちゃんにとっての精一杯の励ましだと思う。

私は涙を堪えきれず、瞳からは何粒もの雫が伝う。

「あのさぁ…何とも思ってないから。
そろそろ俺一人にしてくれへん?

あの時の仕返しができて清々するわ…。」


「コウちゃん…ありがとう。
コウちゃんは私の初恋だったよ。」

そういい私は図書室を出た。

ごめんなさい。
コウちゃん…。

ごめん。

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