最後の100日~君に幸あれ~

誰もいない屋上で~no side~


誰もいなくなった屋上でルイはそっと息を吐いた。

ルイは手を目元に当て上を向いた。

指の隙間から一筋の線が伝う。

「ごめんね。美奈」

ルイは手を離した、目元からは沢山の涙が溢れていた。


「ごめんね。美奈…愛してるんだ。

初めて心から信じれる人と出会ったんだ、初めて僕が幸せにしてあげたいって思えた人だったんだ…」


いつかくる別れを分かっていた。

だから、ルイは自分の気持ちを伝えずに応援していたのだ。


「沢田…祐一…クン。
君なら美奈を幸せにできるはずだよ」


美奈と初めて会ったとき美奈の小指には細長い赤い糸が見えた。

人はそれを運命の赤い糸って呼ぶらしいね。

僕には見えたんだ。今も美奈と沢田祐一君の小指は赤い糸で繋がっている。

「僕はずっと君が幸せに暮らせるように祈ってるからね…」

そう言いながら手すりに寄りかかりながら座った。


ギィッと音を立てて開いたドアにルイは目を移した。

そこに立っていたのは二階堂拓磨。

どこか気まづそうな顔をしている。



< 158 / 182 >

この作品をシェア

pagetop