最後の100日~君に幸あれ~

「んっ!?」

先ほどまで食べていたパンを私の口へ押し込んだコウちゃん。
ホイップの味とパンが絶妙な味わいで美味しい。

…じゃなくて!!

「何で押し込むの!?」

「え?ダメやった?
美味しいから昔みたいに一緒に分けようと思ってな!」

全く悪気のない笑顔に怒る気も起きない。

まぁ…美味しかったけどさ。

普通突っ込みますか?

よく味わい飲み込んだ。

「美味しかったです。」

「良かった良かった。
あ、ミイちゃん。口にホイップ付いてるでっ!」

コウちゃんの指先が口の端に触れる。
顔と顔が近づいて自分自身で顔が赤くなるのがわかった。

自分の指についたホイップをコウちゃんは舐めとり…。

ーチュッ

「へっ!?!?」

何故か頬にキスをされた。
なにで!?

「ついつい。可愛くてなぁ。
なに?口の方が良かったとか?」

「それはないです。」

即答し私は顔を背けた。
初恋を思い出させるようなことしないでほしいなぁ。
私はルイのことが大好きなんだ。

「ちぇ〜。
もう少し優しくしてぇや!」

駄々をこねているコウちゃんを横目にお弁当を食べた。


< 93 / 182 >

この作品をシェア

pagetop