クールな公爵様のゆゆしき恋情
ルーカス様は、私がアンテスから王都へ住まいを移した一年前に、国内の伯爵令嬢と結婚をしたそうです。

政略結婚でしたが、結婚して直ぐに令嬢のお父様が病に倒れ、お兄様が当主代行務める事になったそうなのです。

ところが、令嬢のお兄様の政治的手腕にはかなり問題が有り、伯爵家の勢力はどんどん弱くなってしまったそうです。

ちょうどその頃、アレクセイ様は勉学と剣術に励み、実力を上げていったそうです。
その為、王宮内にはアレクセイ様を次期国王にといった声も、少数なが上がったそうです。

ルーカス様から見れば、後ろ盾になるべき妻の生家の権勢が衰えている中の、第二王子の台頭です。

しかもアレクセイ様の婚約者は、妻の実家よりも遥かに力を持つ辺境伯の娘。
結婚したら、確実にアレクセイ様の勢力は強くなります。

ルーカス様の焦りは日々高まって行き、遂にはアレクセイ様と私の婚約を妨害する工作を始めたのです。

私とアレクセイ様が仲違いをして、自ら離れて行くように。

信じられませんが、確かにルーカス様ならば、アレクセイ様からの贈り物に偽物の手紙を紛れ込ませる事は可能です。

私からの贈り物については、アンテス家の王都の屋敷に仕える人間に、ルーカス様の命令を受けた人が紛れ込んでいて、その人の手によるものだったそうです。

また、私の筆跡の手紙については、巧妙に偽装されたものだと分かったそうです。
世の中には他人の筆跡を完璧に真似が出来、それを職業にしている人がいるそうなんです。


アレクセイ様はルーカス様が犯人だと気付き、証拠を掴み話し合ったそうです。

その中でルーカス様の動機を知り、自分は王位に興味なんて無い事を訴えたそうですが、ルーカス様の疑念を晴らす事は出来なかったそうです。
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