クールな公爵様のゆゆしき恋情
半年以上夢見ていた再会は最悪なものになってしまった。

俺を見た瞬間のラウラの顔色の変化は酷いものだった。俺との再会を心底嫌がっている様だった。

しかもラウラの首元にはあの忌々しい赤い首飾りが! 更に今まで見た事が無い様な赤いドレスを身に纏っていた。

何で更にあいつの色に染まってるんだよ!


嫉妬心が膨れ上がるのを何とか堪えている所に、ラウラから早くも婚約を取りやめたいと申し入れをされた。

再会から続く数々の衝撃に打ちのめされた俺は、苛立ちをラウラにぶつけてしまった。

声を大きくして威圧する。
以前と何も変わらない態度。

その夜は後悔で眠れなかった。俺は変わると決心したのに一体何をやっているんだ。

ラウラに疎まれていたって、俺は気持ちを伝えてるって決めたじゃないか。

次の日からラウラに優しくしよう。そしていつか幼い頃の様に仲良く暮らしていくんだ。


やる気に溢れていた俺だが、翌日丸一日ラウラに避けられ顔すら見る事が出来なかった。
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