クールな公爵様のゆゆしき恋情
広場を抜け、 お城の外廊下へ辿り着いた時、私に声がかかりました。
「ラウラ姫」
聞き覚えのある懐かしいその声の方に、私は誘われる様に振り返りました。
そこには、アンテス家の騎士達が纏う黒の軍服姿の若い男性の姿が有りました。
お兄様には負けますが、私よりはずっと高い背丈。スラリと長い手足。炎の様な赤色の髪に漆黒の意志の強そうな瞳の彼は、アンテス一と名高い騎士、リュシオン・アイズナーです。
「リュシオン!」
私は嬉しくなってリュシオンに駆け寄りました。
リュシオンは、年頃の令嬢らしくない振る舞いをする私に、いつもの困った様な苦笑いを浮かべながら言いました。
「ラウラ姫、お久しぶりです。王都よりお戻りと聞き、我らアンテスの騎士一同お待ち申し上げておりました」
久しぶりの再会のせいかいつもより堅苦しい挨拶が少し嫌でしたけど、リュシオンと騎士の皆さんが待っていてくれた事を聞き、とても嬉しくなりました。
帰って来て良かったと思います。
「ただいま帰りました。お迎えありがとうございます」
「北の棟までお送りいたします」
気付けばお兄様達の姿は見えなくなっていたので、リュシオンは私をお母様の待つ部屋まで送ってくれるようです。
お兄様と違ってとても紳士なリュシオンです。
「リュシオンありがとう」
笑顔で言うと、リュシオンはまた困った表情になりました。
「どうかしましたか?」
気になってそう言うと、リュシオンは「いえ……」と歯切れ悪く言いましたが、思いなおしたのか、言い辛そうにしながら口を開きました。
「ラウラ姫は当分の間アンテスに滞在する予定と聞きました、王都で何か嫌な事が有りましたか?」
リュシオンは心配そうに私を見ています。
アレクセイ様と私の婚約解消についてはリュシオンは何も知らない様です。
お兄様も知らなかった様ですので当然ではありますが。
「ラウラ姫」
聞き覚えのある懐かしいその声の方に、私は誘われる様に振り返りました。
そこには、アンテス家の騎士達が纏う黒の軍服姿の若い男性の姿が有りました。
お兄様には負けますが、私よりはずっと高い背丈。スラリと長い手足。炎の様な赤色の髪に漆黒の意志の強そうな瞳の彼は、アンテス一と名高い騎士、リュシオン・アイズナーです。
「リュシオン!」
私は嬉しくなってリュシオンに駆け寄りました。
リュシオンは、年頃の令嬢らしくない振る舞いをする私に、いつもの困った様な苦笑いを浮かべながら言いました。
「ラウラ姫、お久しぶりです。王都よりお戻りと聞き、我らアンテスの騎士一同お待ち申し上げておりました」
久しぶりの再会のせいかいつもより堅苦しい挨拶が少し嫌でしたけど、リュシオンと騎士の皆さんが待っていてくれた事を聞き、とても嬉しくなりました。
帰って来て良かったと思います。
「ただいま帰りました。お迎えありがとうございます」
「北の棟までお送りいたします」
気付けばお兄様達の姿は見えなくなっていたので、リュシオンは私をお母様の待つ部屋まで送ってくれるようです。
お兄様と違ってとても紳士なリュシオンです。
「リュシオンありがとう」
笑顔で言うと、リュシオンはまた困った表情になりました。
「どうかしましたか?」
気になってそう言うと、リュシオンは「いえ……」と歯切れ悪く言いましたが、思いなおしたのか、言い辛そうにしながら口を開きました。
「ラウラ姫は当分の間アンテスに滞在する予定と聞きました、王都で何か嫌な事が有りましたか?」
リュシオンは心配そうに私を見ています。
アレクセイ様と私の婚約解消についてはリュシオンは何も知らない様です。
お兄様も知らなかった様ですので当然ではありますが。