エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜
『園』の人たちからそう説明を受けているはずだけれど、それでもハルヒコ様は、私がマジュのもとへ行けば彼女は目覚めるはずだと信じきっているようだった。
つまり私は、それができなければ買われた意味と価値とを失くす。
「……私がいけないんだ。私がついていながら、私のせいであの子は……」
ハルヒコ様の嘆きは続いている。
マジュのことを考え始めると、彼はそこから抜け出せなくなり、延々となげき続ける人形みたいになってしまう。
最初は少し怖かったけれど、今では、それも仕方ないことだと思う。
ハルヒコ様は七年前に奥様を亡くされ、それ以来次の妻を迎えようともせずに、一人娘のマジュを育ててきた。
そのマジュが事故にあい、2年も目覚めない。
しかもその事故は、ハルヒコ様の目の前で起きたのだという。
愛する娘を救えなかった罪悪感、眠り続ける姿を見守るしかない無力感と絶望。
そういうものが、彼の正気を少しだけ奪ってしまったのだとしても、無理はないように思える。
つまり私は、それができなければ買われた意味と価値とを失くす。
「……私がいけないんだ。私がついていながら、私のせいであの子は……」
ハルヒコ様の嘆きは続いている。
マジュのことを考え始めると、彼はそこから抜け出せなくなり、延々となげき続ける人形みたいになってしまう。
最初は少し怖かったけれど、今では、それも仕方ないことだと思う。
ハルヒコ様は七年前に奥様を亡くされ、それ以来次の妻を迎えようともせずに、一人娘のマジュを育ててきた。
そのマジュが事故にあい、2年も目覚めない。
しかもその事故は、ハルヒコ様の目の前で起きたのだという。
愛する娘を救えなかった罪悪感、眠り続ける姿を見守るしかない無力感と絶望。
そういうものが、彼の正気を少しだけ奪ってしまったのだとしても、無理はないように思える。