エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜

彼女がバイト先のアイスクリーム屋につくと、店主は店の窓口で外にいる客と話し込んでいた。

どうやらその客はこの店の前で待ち合わせをしていたが、約束の時間が過ぎても相手が現れないらしい。

「きみ、どっかで見かけなかったかい?白いセーラーワンピースを着た、中学生くらいのかわいいお嬢さんらしいんだけど」

店主に尋ねられ、彼女はハッとした。

教えられた客の待ち人の特徴は、ほんの少し前に見たアラキの連れの少女のものと一致していた。






「彼女にはいくら感謝してもしたりないよ。もしあそこで手がかりがなかったらと思うと、今でもゾッとする……」


警察の人から説明を受ける私に付き添うハルヒコ様は、目を赤くしながらそう言った。






アイスクリーム屋の店主に警察への通報を頼むと、ハルヒコ様はバイトの女の子の道案内で公園の向かいの路地へと走った。

すぐにおまわりさんも駆けつけてきた。

アラキはもともと要注意人物として警察のブラックリストに載っていて住所もわかっていたため、
手間取らずに自宅を探し当てることができた。

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