溺愛〜ラビリンス〜

三浦 翔真 side


柚からメールが来た。先生の手伝いか…


「チッ」


携帯を見ながら舌打ちをした俺に渉が心配そうに聞いてくる。


「翔真どうした?」


「柚からだ。先生の手伝いするらしい。」


「…そう。」


何かを考えるように渉が返す。


「翔真、手伝い終わったら迎え出すから、柚ちゃんにも一人にならない様に伝えて。」


「分かった。」


俺は携帯を弄りメールした。柚にメールを送って倉庫へ向かった。


メールを送って一時間経つが柚から返事がない。珍しいな…いつもならこんなにかからず返信してくるのに。嫌な予感が走る。
俺の表情を読んだのか渉も不安そうに聞いてくる。


「柚ちゃん返事寄越さないなんて珍しいね。」


俺の判断を待っている様だ。


「爽を迎えに行かせろ。見つからない時の事を考えて人数連れて行かせろ。」


渉に指示を出し目を瞑った。


「ハァ…」


こんな所に居ないで柚を迎えに行きたい。そんな気持ちを必死に抑えた。




数分で渉が戻って来た。


「爽行ったよ。」


「…そうか…」




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