溺愛〜ラビリンス〜

鷹宮 淳稀 side


柚ちゃんを自分のものにできて心が満たされる。 彼女はまだ薬が効いているらしくベッドから動けずにいた。


僕はシャワーを浴び寝室に戻るとまだ身動き一つせず、茫然と天井を見つめている柚ちゃんに話しかける。


「柚ちゃんこれで柚ちゃんは僕のものだよ。」


「イヤッ!」


柚ちゃんに触れ様とすると激しく拒絶して、手を振り払われた。柚ちゃんの体が震えているのが分かる。僕を見上げて睨んでくる。柚ちゃんから嫌悪感を感じ心が凍りつく。


「君は僕のものだから誰にも渡さない。」


一言言うと寝室を出て、食べる物を買いにコンビニに出掛けた。


お茶やパンおにぎりお弁当等を買い部屋に戻るとそこにはキングや悠斗達が居た。
思いもしない状況に焦った。


「…どうして…?」


呟く僕にキングは、低い声で睨みつけながら聞いてくる。


「柚は何処だ?」


キングの問いに動揺していたせいもあり、思わず寝室に視線が動く。それに気がついたキングと悠斗は素早く動き寝室のドアを開けた。

慌てて止めようとしたが遅かった。でも中には柚ちゃんは居なかった。
どうして? 薬が切れて動ける様になったのか?





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