溺愛〜ラビリンス〜

折原 渉side


柚ちゃんが白王子のマンションから姿を消してからかなりの時間が経過して夜が明けた。


倉庫に戻って情報を待つ俺と翔真…


翔真は苛々しているのだろう、いつもはそんなに吸わない煙草を昨日から吸い続けている。


「翔真…体に悪いぞ。」


俺が言っても気にする様子もなく吸い続ける。


何処に行ったんだ…柚ちゃん。チーム総出でこれだけの時間探して見つからないとは…チーム全体に焦りが出ている。

まさかすでに県外に出ているのか?それも想定しておかなければならないな…


「翔真…県外に出た事も想定しないといけないな…」


俺の言葉に翔真は煙草を揉み消し俺を見る。


「そうだな…都築には王龍の姫の件で貸しがあるから断れねぇだろ。連絡してくれ。」


「了解。」


俺は王龍の総長、都築に電話をかけ県境を中心とした姫の捜索を依頼した。


都築には事が公にならないよう配慮する事も頼み、何か分かったらすぐ連絡してくれと言って電話を切った。



都築の電話を切った数分後、親衛隊の笠原から電話がきた。


爽が柚ちゃんを見つけた!





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