溺愛〜ラビリンス〜

坂本 悠斗 side


秋津から連絡がきた。淳稀を連れて来る場所を聞いてきたからマンションを指定した。

本家に連れて行っても良いが、できればアイツの件は組を絡まさず済ませたいと思っていたからだ…
電話を切るとすぐ大輝に指示を出す。


「秋津達が淳稀を連れてここに来る。対応してくれ…」


「了解。場所はここで良い?」


「あぁ。」


「組から人を出すか?」


「…いやいい。その為に場所もここにしたんだ…」


「了解。龍也には伝えておく。」


大輝は返事をして出て行った。
一人になった部屋で俺はため息を1つつく。


「ハーッ…」


アイツとも長い付き合いだ…淳稀が柚の事をどれだけ思ってきたか分かっている…
だが…アイツが柚にやった事を許す事もできない。まぁ…アイツの気持ちもよく分かるが…

それでも柚を傷つけた事に向き合ってアイツには後悔してほしい。


ガタッ
物音がして龍也が入って来た。


「白王子が来るんだって?」


「あぁ…」


俺がそれだけ答えると龍也は心配そうに聞いてくる。


「お前大丈夫なのか?」


「…あぁ。」




< 183 / 671 >

この作品をシェア

pagetop