溺愛〜ラビリンス〜

「じゃあ生きて俺の傍にいろ?これからも俺がお前の事を守るから…だから…傍にいろ。もう何処にも行くなよ?」


翔兄ぃの言葉は何故か本気だと思った。本気で一緒に死のうと考えている…翔兄ぃの真剣さに私は逆らえなかった。


「うん。」


でも翔兄ぃの腕の中は温かくてホッとした。私はそのまま泣き続けていつの間にか寝てしまった。








次に目が覚めると翔兄ぃは居なかった。

総長室のドアを開けてみんながいる筈の幹部室を覗くと爽くんがいた。


「ユズユズ!起きたの?」


笑顔で話しかける爽くん。


「うん…爽くんだけなの?」


「下に親衛隊の奴等がいるよ。翔真達は今出かけてるけどすぐ戻って来るよ。」


「…そうなの…」


「ユズユズ…お腹空いてない?」


爽くんが心配そうに聞いてくる。


「今何時?」


「午前の10時半だよ。」


「えっ!?私そんな寝てたの?」


びっくりする私に


「そうだよ…眠り姫だねユズユズは。」


爽くんは笑って言った。




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