溺愛〜ラビリンス〜

そろそろイルカのショーの時間になるので、ショーを楽しみにしている柚の手を引きショーの会場へ向かった。




ショーの会場は観客席の半分以上が埋まっていた。
柚が辺りを見回し、少し先に席が空いている席を指差した。ショーを見るのに良い場所なのでその席に決めた。



席に着くと周辺はカップルが多く、隣に座るカップルの女が俺に視線を向けてくる。コイツ男と一緒に来ているくせに何考えてんだ?俺は女の視線を無視した。


席に着き始まる前にと思い飲み物を買ってくる事にして、柚に何が飲みたいか聞くと、一緒に行くと言う柚に席をとっておくように言って席を立った。

すると隣の女が膝に置いてあったカーディガンをわざとらしく落とした。 足元に落ちたカーディガンを仕方なく拾った。


「すみません。」


頬を染めてこちらを潤んだ目で見ている女に嫌悪感しかない。俺は返事もせず歩き出した。
女は何か話しかけようとしていたがそのまま無視した。






自販機でジュースを買い戻ろうとすると、さっきの女が何故か立っている。ウンザリした気分で女を無視して歩き出すと女に腕を掴まれる。




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