溺愛〜ラビリンス〜

笑顔で話す柚に黒い感情が溢れる。楽しかったのは悠斗と一緒だったからか?そんな事を考えていると母さんが


「柚、今年のドレス大人っぽくて良かったわ。来年はどうする?小百合も彩花も柚の事見るの楽しみにしてるんだから…」


ハイテンションで話す。柚は着せ替え人形じゃねぇんだぞ。母さんを睨み付けるが気づかず二人で楽しそうに話している。


俺はイライラしながらソファーから立ち上がり、リビングを出て自分の部屋へ向かった。



部屋に入りベッドに寝転び目を瞑れば携帯が鳴った。電話は渉からだった。


「…はい」


『翔真?』


心配そうな渉の声が聞こえてくる。


「あぁ…どうした?」


低い声で返事をすれば、何か考えている様に押し黙る渉。そして思い切った様に話し出す。


『翔真、悠斗と柚ちゃんの事聞いた?』


「何の事だ?」


低い声が出る。何があったんだ?俺が軽くパニックになる。


『今日のパーティーで悠斗が柚ちゃんに告ったらしい…』


渉の言葉に一瞬息を飲む。胸がいてぇ…柚をとられるのか?心の中がどす黒く染まって行く。


『別に柚ちゃんがOKしたとかって話しじゃないよ。』


渉が必死でフォローしてくる。




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