ツンデレ社長の甘い求愛
「ではこちらへどうぞ」

「あ、はい」


従業員に導かれ、パーティー会場へと向かっていく。

聞いたら会長は既に会場にいるとか。

会ったらまず先にお礼を言わないと。

私のお給料では到底変えない代物ばかりだし。


そして今日ばかりはしっかり社長の恋人として振る舞おう。

後日浅野さんが各所に弁解してくれると言っていたし。


せっかくのお誕生日なんだもの。悲しい思いをさせたくない。

そのためにも社長にうまく説明しないと。


ふたりの関係を浅野さんから聞いただけで、実際はどうなのか分からないから不安が残るけれど、私にできることを精一杯やろう。

そして今度こそちゃんと打ち明けよう。

山本さんに、私のことすべてを。

そうしたらきっと彼も話してくれるはず。

彼の口から聞くことができたら、私も信じられるはず。

疑う余地などないもの。


同時に失恋決定しちゃうし、普段の私とはまったくオフの姿は違うわけだから幻滅されちゃうだろうけれど、このままモヤモヤして本当のことを話せないでいるよりはずっといい。

第一お互い様だし！
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