ツンデレ社長の甘い求愛
「おかえりなさい、かすみちゃん。今日は早かったのね」

「はい、今日は残業せずに済んだので」


パンプスを脱ぎカイくんと一緒にリビングへ行くと、朝家を出たときとは違い、部屋が綺麗になっていた。

流し台に置きっぱなしにしていた食器も綺麗に片付いている。

「すみません、いつも……」

申し訳なくなって謝るものの、佐藤さんは笑顔で首を振った。


「なに言っているの、由美子さんにも頼まれているし、長い付き合いでしょ? 一々気にしないの!」


佐藤さんは五十代で気さくな人柄。

子育てが一段落した後、ペットシッターとなりずっとお世話になっている。

カイくんの世話だけではなく、私の世話までしてもらってしまっていて、いつも頭が上がらない。


「あっ、そういえば日中に由美子さんが来たのよ」

「え、由美子伯母さんが?」

「えぇ。今夜仕事が終わったらまた夜に来るからねって伝言」
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