ツンデレ社長の甘い求愛
ピンチを救ってくれたヒーロー
【社長は騙されている! これが彼女の素顔です】

そんな煽り文句と共に添付されていた一枚の写真。


そこにはオフ状態の私が、カイくんと散歩を楽しんでいる写真が掲載されていた。


ご丁寧に所属部署とフルネーム、社員証に記載されている写真と共に乗せられている。

そんなメール画面を見たまま、固まってしまう。


誰が? どうしてこんなことを……?


それよりもどうしたらいい? これ、社内に一斉送信されている。――ということは、本社に勤めている社員全員が受け取ったことになる。


バクバクと心臓が鳴り、変な汗が背中を伝う。


どうやらオフィスにいる同僚たちは皆、このメールを見たのか誰も口を開くことなく、不気味なほどシンと静まり返ってしまった。


どうすればいいのか路頭に迷っていたそのとき、気まずい空気を壊すように口を開いたのは亜美ちゃんだった。


「部長!! これ、問題じゃないですか!? こんな個人情報を社内メールで流すなんてっ……」

亜美ちゃん……。


「俺もそう思います! こんなの許せないんですけど」

「そうですよ! それにこの写真、明らかに盗撮ですよね!? 犯罪ですよ!」

みんな……!
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