珠利と真実―約束の恋の音色―
椅子に座りながら、見上げた。

すべて整っている感じで、ミュージシャンのRKに似たイケメンだ。

「リクエストしてもいい?」

「はい」

一瞬オーラに圧倒されたが、

「俺、梨王(りおう)です。よろしく。一応、支配人やから」

フレンドリーに話しかけられ、気を取り直し言葉を交わした。

梨王は京都出身だ。

「おませぇいブログを書いてる人ですね!!」

梨王のブログを読んだことがある真実は声が弾んだ。

「なんや、俺のブログ読んでくれてるんや」

梨王は嬉しそうになる。

「あのひとつ聞いていいですか。ブログによく書いてある“おま”ってなんですか?」

興味津々に聞く。

「あれは京都の古い言葉で、〜ですとかいう意味や」

梨王は方言であることを教えた。

すると他のプレイヤーがピアノのそばに来て、

「俺も何かリクエストしたいな」

ピアノを眺めながら言った。

彼はトサカのような立てたヘアスタイルを揺らしながら、

「俺は冬理(とうり)。主任だ。よろしくな」

役職も伝え、自己紹介した。

色白で目はあまり大きくない、中国系の顔立ちだが、童顔で癒し系だ。

梨王と冬理はプライベートでも仲がいい。

「さっきロッカーに書いてある梨王さんと冬理さんの名前を見てこの2人って仲いいのかなそれとも仲悪いのかななんて考えてたんです」

「どうして?」

冬理は何で自分たちの名前に興味を示したのか不思議に思った。

「だって、梨って秋のフルーツですよね。つまり、秋と冬でお互い季節にちなんだ名前だから」

「そうなんだ。ええところに気付くな」

梨王は真実の知識に感心した。

「そしたら、梨王さんがリクエストしてくれた曲から弾きますね」

笑顔で美しい音色を奏でた。
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