ダメ女な私
「あ、あの~」
ドアの向こうに行こうとする楓さんを呼び止めてみる…。
その顔は、案の定……
「あ゙あ゙?」
不機嫌そのものだった。
「あのっ…迷惑だったら帰ります!それに、彼女さんとかいるんだったら悪いですし……」
そうだよね。
私がもし彼女だったとしても、彼氏の家に誰とも知らない女の子が泊まるなんて……
絶対やだもん。
楓さんだって、こんなにかっこいいんだから彼女ぐらいいるよね。
帰りの用意をしようと、横にあるバッグをいそいそともっていると、「はぁ…」と小さなため息が聞こえてきた。
わぁ…。本気で嫌われたかも。
だけど、そんな予想とは反して楓さんは私に近づきながらいった。
「いや。彼女とかいねーし。そんなんじゃない。……こっちの問題だ」
優しそうなその声に、俯いていた顔を上げると、そこには頭に手を当てて眉を少し下げた表情の楓さん。
何が彼をそうさせているのかはわからないけど…、まっ彼女いないんだったらいっか。