お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~

お口にクダサイ

「ね?今夜は大胆になってもいい?先生が火をつけたんだよ?」
「嬉しい限りだよ。何が待ってるのかな?」
「そんなテクとかないけど」
「いいよ、そんなのは。愛情こもってるって感じられる、それがいいんだよ」
2人してお風呂から上がって、そのままの流れでソファーベッドでじゃれ合うようにもつれこむ。

「これ好きなの、なんか好きってすごく伝えられるし、伝わる気がする」
鼻をこすりあわせるキス。
「口にはしてくれないの?」唇を付きだした先生の唇を舌でペロッと舐めた。

「くすぐったいな。やったな!」脇の下を舐められて、ぎゃーと声をあげて悶絶する。
「それってルール違反だよ」
「ん?ルールって何?」
「知らない」
「何それ」
「ふふふ」

先生の下着の上から【そこ】に触れてみる。
「いきなりそこへいくんだ。今夜は」
「うん。だって我慢できないもん」

「そうなの?でも、まだ準備オッケーじゃないかも」
「うーん。大きくな~れっ」
「何それ?」

上目遣いで先生を見上げながら、先生のを脱がしていく。唇の中にそれを吸い込むようにして頬張る。

先生はゆっくりと目を閉じる。舌や唾液の音が静かな部屋の中に響き渡る。
「その音とか君の潤んだ瞳に反応しちゃうな」

先生の恍惚とした表情を見ていると愛しさとそして、言い表せないような、いつしか先生を失うかもしれないという、【喪失感】が入り交じり複雑な気持ちになっていった。

無心でいようと、口の中で硬さと熱さを増していくそれを、丹念に味わうようにして尚も離さないでいると、
「もういいよ、ありがとう。口の中で出ちゃうとダメでしょ」
先生が引き抜こうとするのを制止して、私はこう懇願した。
「・・・お口に注いで・・・お口にクダサイ・・・」そう言いながら、私は貴方を待つ。


< 110 / 184 >

この作品をシェア

pagetop