彼女の忘れ物とスポットライト
殺人鬼〜鮎沢 夏樹〜
『ありがとうございました!!!!』

5人の声が清々しく晴れた青空に消えていった。
私達は、頭を下げたままその割れんばかりの歓声に涙をこらえるので必死だった。

ここまで来た。やっと、やっと頂点に立つことができた。

司会のアナウンサーが私にマイクを渡してスピーチを促す。

ためらっていると、4人が背中をバシッと叩いて笑ってくれた。

私は頷き一歩前に踏み出した。

「本日は私たち





時はアイドル戦国時代。
様々な趣向のアイドルが群雄割拠する時代。

私達6人は、とある事務所の一室にいた。

「………」

「………」

「………」

「………」

「………」

「………」
お互いに興味もなく、ケータイをいじったり音楽を聞いたり、本を読んだり…。

それぞれが自分の好きな事をしている。


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