心(ハート)の揺りかご
Hands-ハンズ-

ただ流れゆく 悲しみのちぎれ雲が 時を刻むのを眺めていたの……

陽にはらむ 夕日が姿を現す瞬間(とき)

それは 翼のような大きな手で 私を掬い上げる

銀の川のせせらぎが うねる音を語り継ぎ……

瞼を閉じる瞳に映るのは
生まずたゆまず 人生のタペストリーを織り上げている その指先

その手は 木の葉が吹き込む香りを届け やがて 心の内側に陽を投げかける

その手は 風の凪ぐ大気のエコーに 灰色に湧き上がる波の起上を…… 

その手は 群青色に彩り 藻に覆われた 私の素肌を砕ける愛の水で洗う

「感じるわ……その手で……生まずたゆまず」

精妙な愛のタペストリーが 織り上げられるのを


神秘の指が音符を奏でる時 偉大な創造が始まるの


降りしきる雨粒に 七色の虹が 瞼の裏に浮かんだら

現れる光の手が すべての細胞を銀のビロードに 震動させる


陽に映る夕日に溶ける 涙が緋色に染まる

光る雨粒に 七色の虹が瞼の裏に浮かび

風の鳴る声と共に 裸の心が 自由に空を駆ける


悲しみの波の起上は 群青色に彩られ 

藻に覆われた その素肌を光砕ける愛の水が洗う

私の手を繋ぐあなたの手から 内なる光を瞬かせる

「今 はっきりとあなたの その手を感じる」

遍在する数多に咲く愛の指が 魔法の絵画を描きあげるのを―――

それは 翼のような大きな手で

「まるで それは天使の翼……」

偉大なる創造を紡ぎ続け すべてに愛の命を吹き込む―――
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