「やっぱり、挙げたいじゃない。

一生に1回の大イベントなんだから」

あたしの頭の中を呼んだと言うように、朝比奈さんが言った。

「俺は小春ちゃんが望んでいる結婚式でいいと思ってるよ。

もし小春ちゃんが人を呼びたくないって言うならば俺も呼ばない。

ドレスで式を挙げたいって言うならばそれでいいし、着物でいいって言うならば…」

「朝比奈さん、自分の意見を言った方がいいですよ。

あたしの意見ばっかり優先して、後であれがどうだとかこれがどうだとかと言って騒がれるのも嫌なので」

朝比奈さんの話をさえぎるように、あたしは言った。

彼はハッとしたような顔をすると、
「うん、そうだったね。

流されるのはよくなかったね」
と、首を縦に振ってうなずいた。

「よくないんじゃなくて、直してくださいって言っているんです」

そう言ったあたしに、
「ハハハ、容赦ないね…」

朝比奈さんは苦笑いをした。
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