秘密の花園×名なしの森

 震える背中があまりにも小さく見えた。

 強がって見えた。

 それが無性に切なくて、気が付いたら彼女を抱きしめていた。


『僕じゃ、駄目ですか』


 自分でも驚くくらい、自然に出てきた言葉。

 その瞬間、彼女は身体を強ばらせた。


『くゆりさんが、好きです』


 彼女――NANAではない、“森園くゆり”というひとに出逢ったのは昨日が初めてだったけれど、この気持ちに嘘はない。回す腕に、力がこもる。

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