秘密の花園×名なしの森

「ん?」
「服、洗って返します」
「いいよ、そんなの」

 壁に寄りかかりながら、律義だなと思って笑う。そしたら、

「だって……また、逢いたいから……っ!」

 全然予想してなかった言葉。

 びっくりして振り返ったら、彼は俯いて、顔を赤くしていた。なんだかあたしまで顔が熱くなってくる。

「じゃあ、貸しとく」
「っ、ありがとう!」
「……あたしも、また逢いたいし……」

 どきどき騒ぐ心臓。

 胸がこんなに高鳴る理由を、あたしはまだ知らない。



――20070709 / つづく

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