秘密の花園×名なしの森

 ケータイを握ったまま、手紙とメモ、それからあたし自身を抱きしめて、ぷらぷらと足を遊ばせる。まるで、落ち着きのない子どもみたい。

 でも、どうしてだろう。

 壁に体を預けても、床にしゃがんで丸くなっても、独りじゃないみたい。ちょっと前、家を飛び出す前に思ったこととは矛盾してるけれど。


 ヴー、ヴー ――……


「わぁ!?」

 ブルった。

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