秘密の花園×名なしの森

 遠い星空。

 街の明かりで、星の光はほのかだ。

 濃い藍を溶かしたみたいな夜の空は、なんだか新鮮だった。

 今あたしが見ている星の光は、何万年も前の光――……もしかしたら、あの星は今はもう消えてしまっているかも。そう考えると、ちょっと切ない。

(湊くんも、この空見てるのかな)

 自然とこぼれてくる笑み。

 あたしはうんと伸びをして、窓に背を向けた。いい夢が見られるようにと、星に願いをかけながら。



――20070809 / つづく

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