あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
吉沢桜子さん。
経営コンサルティングファームで組織・人事コンサルタント。


ふわっとまとめられた髪に、今日は明るめのベージュのスーツ。

清潔感にあふれていて、社内にいたら男性が放っておかない。

背の高い私と比べると、頼りなげで華奢で、守ってあげたいタイプに見える。

外見は。


中身は、その辺の男性が束になっても敵わない才能も容姿も備わった女性だ。

こんな人、間近に見てるとため息しか出ない。


恵麻ちゃんも、吉沢さんには絶対的な信頼を置いて、私に対する態度と180度違う。

吉沢さんが話しかけると、尊敬してますっていう態度で目を輝かせて、二つ返事で駆け寄って行くし、絶対聞き逃すものかと、必死で話を聞こうとしている。

キーボードを打ち込みながら、作業しながら話を聞いているのとは大違いだ。

「これでいいと思う。塩崎さん、完璧ね。ついでだから、裕二にも送っといてもらえるかな」

「はい」

吉沢さんは、藤原課長のことを裕二と呼んでいる。

彼女に敵うもんなんて、一つもない気がする。
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