それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?
 そうして、二人は着ているものを交換し、ジュジュはグェンの服を着て、用意していたロープをベッドの下から取り出し、ベッドの足に通してから結び目をしっかり作ってそれを窓の外に垂らした。

「カーラの授業が役に立ったわ。常に危機感を持ち、いざという時は勇気を出して行動することを教えられたわ。そして、このロープの結び方も非常時のためにと練習させられた」

「あのカーラが教えたんですか?」

 びっくりしているグェンを尻目にジュジュはすでに窓に足をかけていた。

「カーラは私が女だからと言って妥協せずに、なんでも教えてくれた。もちろん厳しくて辛かった時があったけど、私がこんな大胆な事を考え付いたのもカーラの教えがあったから。『欲しいと思ったら努力を惜しまず、行動すること。なんでも人から与えられるだけでは成長しません』なんてしょっちゅう言われながら、教え込まれた」
「カーラは自立目的で、それとは違う意味で言ったのでは……」

 グェンは苦笑いになりながら、この状況を見守っていた。

「ううん、カーラこそ私に自由を一番与えたがってた人よ。私がなんでも一人でできるようになるために、だから教える時は本気を出して厳しかったと思う。でも感謝してるわ」

 なんでも前向きに捉えるジュジュの言葉に、グェンは優しく微笑んだ。
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