陰にて光咲く



「最後に竹内と会ったのはいつですか?」


「ちょうど1週間前です。アズマを含めた集団が勝手に僕の部屋に上がりこんで、薬をやっていました。その後は一度も会っていません」


「星野さんは竹内と仲がよろしかったとか?」


「いえ…たまたま同じ大学にいて偶然バイト先も一緒になっていただけで、そこまで仲がいいってわけではありません」


答えてるうちに、何故かだんだん声が小さくなっていった。


「そうですか。


先程星野さんがおっしゃったように竹内には麻薬の容疑がかかっていましてね、


我々は以前から竹内らに目を付けていました。


今日はこれで以上です。ご協力ありがとうございました」


渡辺は席を立ち、頭を下げて行ってしまった。


渡辺がいなくなった後も、俺はその場から動くことはできなかった。


薬やってるのならいずれ警察が動くものだと思っていたが…


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