陰にて光咲く
まさか、もうアズマは…
最悪な結果を想像してしまい鼓動が速くなったが、首を振った。
そんなはずない。
アズマはきっと生きてる。
そう言い聞かせなければ、自分が過呼吸を起こしそうになる。
くそっ俺がもっとはやくさおりの本性に気づくべきだった。
目の前のことばかり信じて、見てやれなかった。
アズマは子供の頃から除外され、自分の居場所が見つけられず生きてきた。
誰からも信じてもらえない。
そんなアズマが唯一信じようとした俺さえも、アズマを遠ざけた。
結局、最初からアズマを信じようともしてなかったんだ。
アズマの孤独、想い、自分への怒り、そして後悔が押し寄せ、それは涙となって溢れ出た。
拭っても拭っても、涙は止まらなかった。
ー「大切なものの守り方を間違えない方がいいよ。俺みたいに」ー
頭の中に、アズマの言葉が蘇っていた。