夜の甘やかな野望



目の前には、両親が連れてきた女性が座っていた。


かわいいね。


宗忠は胸の中で今度は大きなため息をついた。


文句なく、かわいい。


小さな顔に大きな目、甘そうなくちびる。


清純派の女優のような可愛らしさの上、育ちの良さがあらわれている。


なんだけど、ね。


相変わらず両親の認識は間違っている。


需要と供給のバランスをとっているだけで、こういうのは全然、好みじゃないのに。


すべてが違和感だらけだ。


なにもかも全て。


宗忠は諦めた気持ちで窓の外を見た。


このままずっと、このまま、か。


あふれ出てくる倦怠感。


宗忠は名前を呼ばれ、視線を戻すと、にっこりと笑った。
       
< 3 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop