保険彼女と日向くんの甘々同居生活

保険彼女と先輩


「寒っ」


マフラーを巻き、手袋もして。

防寒対策は充分なのに、寒い。

舞い落ちる雪。辺り一面の銀世界。

周りを見渡せば、イルミネーションがキラキラと輝いている。




とても美しい光景のはずなのに私の中に湧いてくる感情は、綺麗でも美しいでもなく、虚しさだけだ。




一歩踏み出すたびに、くっきりと足跡がついて
寒さが増す。






足元から、心から、どんどん冷えてくる。

なんでだろう。

なんで、こんなに寒いの?

なんで、こんなに冷たいの?







………あぁ、わかった。


寒さの原因は


ーーーー目からこぼれる涙だ。





そっかそっか。

この涙が悪いんだ。

この止まらない涙が悪いんだ。





「....とまれ、とまれ」

「.....とまってよ.....っ!」





雪と一緒にこの気持ちも溶けてしまえ。

なくなってしまえ。







きえてしまえ。




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