【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。

「まったく。高橋さん、あなた一番年の近い先輩なんだから、千夏ちゃんの教育頼むわよ」



甲本さんは、ぷりぷり怒りながら自分のデスクへ行くと、パソコンで行事の企画書の資料を打ち始めた。


マイペースな千夏ちゃん。

誰に対しても同じように接する。

良く言えば嘘のない子なのだ。


千夏ちゃんはその性格もあってか、子ども達からは一番人気だ。

江渡館長もそこは買っていて、千夏ちゃんのことを色々と頼りにしている。


玄関掃除をしている千夏ちゃんを、スリッパを拭きながら横目で見る。

さっきまでの雰囲気とは違い、真剣な表情で仕事に取り組む姿。

玄関のタイルを、自分の服が汚れるのも構わず水拭きで一生懸命拭いている。

確かに、言葉遣いや人との接し方に難はありって感じだけれど、こうして働く姿を見てたらどこかで良しとしてしまう自分もいる。



嫌われるのが怖くて、うまく注意が出来ないんだよな……。




じっと見ていたら、千夏ちゃんが私が見つめていたことに気づいたようで、私を上目遣いで見つめると、にこっと笑って玄関の小窓から職員室の甲本さんの姿をちらりと覗き見ると、また身をかがめて、「ねえ、彩音先輩。あのイケメンとはどこで会ったんですか?」と、ひそひそ声で尋ねてきた。
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